初心者ガイド:LBP

LBP理論は「認知=精神の働き」に基づいてタイピングします。

ネット上などの多くの性格診断テストは「振る舞い(behave)」に基づいてタイピングしています。しかし、「振る舞い(behave)」は認知だけでなく、その他の多くの要因 (社会的状況・義務・精神状態など) によって決定されるため、「振る舞い」に基いてタイピングすると、その時々で異なる結果が生じやすくなります。

MBTIは概ね精神の働きに基づいていますが、完全に「振る舞い」が除外されているわけではありません。

MBTIから「振る舞い」を除外したのがLBPです。(by 原典著者)

注意

この記事はLBPについて簡易的に説明しています。詳細はサイト内の各記事を参照下さい。

また、LBPタイプテストを受ける予定の場合、この記事を読む前にテストを受けることをオススメします。

認知の特徴

1 認知は「情報の種類」と「心理機能」から構成される

情報の種類は「特定的」「普遍的」の2つに類型される

情報の種類は「物事そのもの■」「人の行為に関するもの□」の2つに類型される

4 認知は、対象とする情報の種類によって4種類に類型される

認知は「情報の種類」と「心理機能」から構成される(1)

認知とは、心理機能によって情報を処理する心の働きです。

認知

情報

①詳細 ②原則
③行動 ④観察

×

心理機能

Si Se Ni Ne
Fi Fe Ti Te

どの「情報」に対してどの「心理機能」を使うかは、特に判断タイプと知覚タイプで大きく異なります。というか、この違いが判断タイプと知覚タイプの別を定義している、と言えます。

特定的 vs 普遍的(2)

特定的な情報とは、特定の物事に対してのみ用いることができる情報です。

普遍的な情報とは、どのような場合にも用いることができる一定のパターンなどです。

物事そのもの vs 人の行為に関するもの(3)

「人の行為に関するもの」とは、人の行為・態度・思考などに関するもの、という意味であり、Eタイプが優先する情報です。

「物事そのもの」とは、内省の対象となるものであって、Iタイプが優先する情報です。

 
特定的 / 普遍的」「物事そのもの / 人の行為に関するもの」という2つの二分法を組み合わせると「4つの情報の種類」が導けます。人の認知の対象となるすべての情報は、必ず4つの何れかに類型されます。

4つの情報の種類

特定的 普遍的


①データと詳細
特定の物事の詳細
箇条書きのデータ
②原則と傾向
世界全体の機能する方法
世界全体の方向性


③行動と結果
外部に見られる意思決定とその結果
④観察と動機
外部の観察によって得られる情報
個人の性質や心のパターン

4種類の認知(4)

認知は、対象とする情報の種類に応じて4種類あります。

①データと詳細
特定の物事に関する情報を分析する

特定の物事に対して結論を出す (評価を下す)
②原則と傾向
世界全体に対する理解をまとめる

世界の普遍的な傾向を理解する
③行動と結果
人々の行動の結果を注視する

意思決定を行い、計画を立てる
④観察と動機
個人の全体像を観察する

人に対する性質的判断を下し、可能性を探求する

タイプ名の1文字目と4文字目の組み合わせにより、最も選好する情報(第一認知が対象とする情報)が決まります。

EP

1 2 3 4
観察() 詳細() 原則() 行動()
Se/Ne Fi/Ti Fe/Te Si/Ni

IP

1 2 3 4
詳細() 観察() 行動() 原則()
Fi/Ti Se/Ne Si/Ni Fe/Te

IJ

1 2 3 4
原則() 行動() 詳細() 観察()
Si/Ni Fe/Te Fi/Ti Se/Ne

EJ

1 2 3 4
行動() 原則() 観察() 詳細()
Fe/Te Si/Ni Se/Ne Fi/Ti

EPはまず、世界… 特に個人を観察し、その人の性質や心のパターンを理解します。そして、個人の行動の背後にある思考を理解したり、個人の観点を取り入れることで、世界に対する理解を深めます (世界を探求します)。

IPはまず、精神内部の情報を用いて、特定の物事について深く思考します。そして、物事について評価を下したり、あり得る可能性を理解します (物事について探求します) 。

IJはまず、精神内部の情報を用いて、世界全体に共通して適用できる原則について思考します。導いた原則は、IJの行動指針となります。

EJはまず、周囲の人々の具体的な行動とその結果を注視し、因果関係を理解します。導いた理解に基づいて意思決定や行動の策定を行います。

タイプ名のアルファベット1文字が定義するもの

I 内省を重視
E 外部の世界・人々を重視
S 現実、具体性、既存の善の保護を重視
N 概念、着想、あり得る可能性を重視
F 意義、一個の物事の全体像、存在そのものを重視
T 有用性、活用、一個の物事の各構成要素を重視
P 探求、ツール(情報)の収集を重視
J 行動の計画、達成を重視

各定義は一見するとMBTIと多少違うように思えます。ただし、上記のLBPの定義はMBTIの定義から「より本質」に迫ったもののようにも思えます。

原典著者はLBPをMBTIとは別理論としておらず、MBTIから「より精神の働きにフォーカスしたもの」としています。

MBTIはユングの心理機能をベースにしていますが、MBTIのある心理機能はユングの定義とは大きく異なっていたりもします。このことからもMBTIが確実に正しい、とは言えません。

 
例えば人はF機能とT機能の両方を使います。MBTI (LBP)は「人はFとTの両方を使うが、必ず一方を優先する」としています。このことはMBTI公式のいう「心の利き手」というワードにも表れています。

この前提は他の二分法「I/E」「F/T」「P/J」にも当てはまります。

ただし、これらは理論であって現実の人にピタリと当てはまるとも限らないので注意しましょう。

タイプ名のアルファベットのペアが定義するもの

タイプ名のアルファベットのペアが定義するものは、上記で説明した「各タイプの選好する情報の種類」のほか、「領域」「目標」「専門性」「世界観」などがあります。

これら以外ものは基本的には、16タイプで定義する要素ではない、ということになります。

 
例えば目標達成へ向けたアプローチにおける「意思決定のスピード」「コースの描き方」は、認知ではなくサブタイプとして定義されています。

ある一個の目標に対して詳細に計画を立てて実行することを好む場合… 一見Jタイプのように思えますが、LBPにおいてこれはサブタイプで定義するものです。
人生全般においてどんなことでも計画を立てて実行することを好む場合は「Jタイプ」となりますが、人生全般においてどんな場合でも行動計画より探求を重視していて、ある状況において行動を計画するとなったときに詳細に計画を立てることを好む場合は「Pタイプ(サブタイプはJタイプ)」となります。

領域

領域とは、各タイプが無意識に指向する場所や範囲です。

IP 特定の物事・対象・出来事
EP 個人の動機・反応・態度
IJ 世界全体、世界の傾向
EJ 行動を共にする人々、行動がもたらす経験

目標

目標とは、各タイプが領域において達成したい本質的な願望です。

SF 喜び、楽しさ(意義の維持)
ST 実践、実用(有用性の維持)
NF 啓発、啓蒙(意義の発現・増大)
NT 予期、予測(有用性の発現・増大)

専門性 (特質)

領域と目標の組み合わせが、各タイプ固有の専門性 (特質)を生み出します。

LBPでは、各タイプの特徴は心理機能からではなく、領域と目標の組み合わせ (=各タイプ名の文字の定義) から説明されることが多いです。

 
例えば、INFJの心理機能はNi-Fe-Ti-Seであり、INFPの心理機能はFi-Ne-Si-Teです。

この2タイプは心理機能を1つも共有していないため、その性質は全く異なると考える人もいますが、LBPではINFJとINFPは4文字のうち3文字 (I,N,F) を共有するため、多くの共通する性質を持つとしています。

世界観

ここでいう世界観とは、主に人や世界に対する捉え方です。

Iタイプ 想像上 (理論上) の人にフォーカス
Eタイプ 実在の人 (直接関わる人) にフォーカス
Sタイプ 物事の良さの保護・維持を重視
Nタイプ 物事の良さの創出・改善を重視
Fタイプ 人に対して楽観的
Tタイプ 人に対して悲観的
Pタイプ 個人としての人を重視
Jタイプ 集団の一員としての人を重視

原典を読んでもFタイプが楽観的で、Tタイプが悲観的である根拠は記載されていませんでした。原典著者の言っていることが正しいとは限りませんが、正しいという前提で考えてみると、、、

Fタイプは、人の感情・尊厳・存在全体にフォーカスしています。対してTタイプは、人の有用性・能力・人の用い方にフォーカスしています。

Tタイプは、ある人が自分の求める能力を持っているかどうか気に掛けたり、ある人がグループにおける役割に見合った資質を有しているかを気に掛けます。この辺りが、Tタイプが人に対してまず疑ってかかる(自分が求める資質をもっていないのではないか)ことと関係していると思われます。

心理機能

LBPにおける各タイプの心理機能の順番はMBTIと全く同じです。

また、LBPではある心理機能によって導かれた結果は、次の心理機能に引き継がれていく、とあります。単独で働くより、複数の心理機能が共同して働くことで結果を導く… という方が理にかなっていると思います。

 
上でみたように、LBPは明確な定義の二分法を組み合わせ、世界のすべての情報を4つに類型しています。

心理機能も同じで、複数の二分法を組み合わせ、人のすべての認知を8つに類型しています。

Fi,Ti,Fe,Te 特定の物事に適用できる情報を導く
Si,Ni,Se,Ne 普遍的なパターンを導く
Fi,Ti 内省によって特定の物事に対して結論を出す
Fe,Te 外部を注視し、特定の状況において何が必要かを把握する
Si,Ni 内省によって何らかの普遍性 (一般性) を理解する
Se,Ne 外部を観察し、一個人の普遍性 (心のパターン) を理解する
Fi,Fe 意義の有無・意義が在るためには何が必要かを評価する
Ti,Te 有用性の有無、有用性が在るためには何が必要かを評価する
Si,Se 経験に基づいて普遍的なパターンを導く
Ni,Ne 概念に基づいて普遍的なパターンを導く