知覚タイプと判断タイプの「判断」の違い

EP

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知覚 判断
観察() 詳細() 原則() 行動()
Se/Ne Fi/Ti Fe/Te Si/Ni

IP

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知覚 判断
詳細() 観察() 行動() 原則()
Fi/Ti Se/Ne Si/Ni Fe/Te

IJ

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判断 知覚
原則() 行動() 詳細() 観察()
Si/Ni Fe/Te Fi/Ti Se/Ne

EJ

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判断 知覚
行動() 原則() 観察() 詳細()
Fe/Te Si/Ni Se/Ne Fi/Ti

知覚」=「①データと詳細」「④観察と動機」
判断」=「③行動と結果」「②原則と傾向」

 
 
知覚」において、情報と心理機能のズームイン(特定)/ズームアウト(普遍)は一致しています。

判断」において、判断タイプは情報と機能のズームイン(特定)/ズームアウト(普遍)は一致しているのに対して、知覚タイプは情報と機能のズームイン(特定)/ズームアウト(普遍)は一致していません。

 
MBTIでは情報と心理機能という考え方はしないため、MBTIに慣れた人には相容れないかもしれませんが、「判断」に対する両タイプの捉え方の違いは、それぞれの世界に対するアプローチの違いを反映したものとなっており、理にかなっていています。

 
順を追って説明します。まずは、判断タイプと知覚タイプの性質から見ていきましょう。

Jタイプ

Jタイプにとって「③行動と結果」は特定的な状況に適用される。(「③行動と結果」は、特定の状況と直接関係する。)

「③行動」はJタイプにとって地図のようなものである。各道はどこかに通じており、目的地に到達したい場合は適切な経路を選択する必要がある。

 
Jタイプにとって「②原則と傾向」は、目的地に到達するために「③行動と結果」が従わなければならない、普遍的なパターンである。

Jタイプ:「③行動と結果」

Jタイプにとって「③行動と結果」は、自他の数々の行動とその結果を注視し、それに基づいて自身の意思決定を行う認知ステップです。

Jタイプは、意思決定や行動の策定は、外部特定的な状況に適用されるもの(特定の状況と直接関係するもの)と考えます。

別の言い方をすると、外部の特定の状況を見て、その状況の情報に基づいて、適した行動を講じるべきだと考えます。

Jタイプ:「③行動と結果」×Fe/Te

外部から取得した自他の行動と結果に関係する情報を、Fe/Teによって処理し、外部適用できる形にし、行動を講じる。

処理対象
外部の情報)

心理機能

処理後

自他の
行動と結果

特定的な情報

Fe/Te

外部の客観的情報を処理

行動の策定
意思決定

特定的な情報

Jタイプ:「②原則と傾向」

「③原則と傾向」は、世界が普遍的に機能する方法(世界の原則や傾向)を把握する認知ステップです。

Jタイプは、「世界の原則」は「行動の結果」に影響を及ぼすと考えます。

Jタイプ:「②原則と傾向」×Si/Ni

内部にある世界の機能する方法に関係する情報を、Si/Niによって処理し、世界の原則と傾向を編纂(パターン化)し、把握する。

処理対象
(内部の情報)

心理機能

処理後

世界の働き

普遍的な情報

Si/Ni

内部の主観的情報を処理

原則と傾向

普遍的な情報

Jタイプ:「②原則と傾向」「③行動と結果」

まとめると、Jタイプは以下のように考えます。

特定の状況に対して、直接的に行動を講じるべき。

・行動の結果は原則、法則、ルールなどの世界の普遍的な働きに影響されるため、原則などに則って行動を講じるべき。

世界の原則と傾向

|

|

|

行動と結果

行動と結果

行動と結果

|

|

|

特定の状況

特定の状況

特定の状況

Pタイプ

Pタイプにとって「③行動と結果」は、行動が常にどのように機能するかという普遍的なパターンを見つけることである。

言い換えると「③行動とその結果、及び意思決定 – 」は、どの行動が普遍的かつ一貫して機能するかを編纂することである。

 
Pタイプは「③行動」を、多くの選択肢を備えたツールボックスであり、必要が生じたときにいつでも引き出すことができるあらゆる種類の選択肢、材料、リソースを備えているもの、と理解している。

世界は常に新しい状況であり、豊富な選択肢を備えたツールボックスによって解決・修正すべき問題が次々に生じる。

各「③行動」は、それぞれの場面で使い分けられるリソースである。選択肢が多ければ多いほど対応できる状況は増える。

 
また、Pタイプにとって「②原則と傾向」は、特定の状況に対して適用される。(「②原則と傾向」は特定の状況と直接関係する)

Pタイプ:「③行動と結果」

Pタイプは、発生する様々な状況に(受動的に)反応することを好みます。

よって、行動とその結果を、ある種の行動はある種の結果につながる、といったような普遍的なパターン/一定のパターンとして理解して、将来の様々な状況に備えます。

 
Pタイプは、内面にある数々の「行動と結果」に関する情報から、「行動と結果」のパターンを導きます。

 
また、「③行動と結果」は様々な選択肢を備えたツールボックス、と記述されています。このツールボックスには「行動と結果」のパターンと共に、「知覚」である第1、第2ステップで収集した世界に関する情報も格納されています。

Pタイプ:「③行動と結果」×Si/Ni

内部にある行動と結果に関係する情報を、Si/Niによって処理し、行動と結果を編纂する(パターン化する)。

処理対象
(内部の情報)

心理機能

処理後

自他の
行動と結果

特定的な情報

Si/Ni

内部の主観的情報を処理

行動と結果の
パターン

普遍的な情報

Pタイプ:「③原則と傾向」

Pタイプは、「世界の原則と傾向」を、特定の状況に適用されるものと考えます。

Jタイプは精神の内面から情報を取得し、様々な多くの物事に関する情報から「世界の原則」を把握しますが、Pタイプは外部の特定の状況から世界の働きに関する情報を収集し、「世界の原則」を把握します。

 
Jタイプは、「原則」を特定の状況と直接関係するものとは考えていません。

Pタイプは「原則」を特定の状況と直接関係するものと考えています。

 
極端な言い方をすれば、Jタイプは、「原則」はすべての場合に当てはまるもの、Pタイプは、「原則」は各状況に応じて用いるもの、と考えています。

Pタイプ:「③原則と傾向」×Fe/Te

外部から取得した世界の機能する方法に関係する情報を、Fe/Teによって処理し、原則と傾向を把握し、外部適用できる形にする。

処理対象
外部の情報)

心理機能

処理後

世界の働き

普遍的な情報

Fe/Te

外部の客観的情報を処理

原則と傾向

特定的な情報

Pタイプ:「②原則と傾向」「③行動と結果」

Pタイプは「行動と結果の普遍的なパターン」と「特定の状況から導いた世界の原則と傾向」を連携させ、取るべき行動を講じます。

行動と結果の
パターン

世界の原則と傾向

外部
特定の状況

Si/Ni

Jタイプは「②原則と傾向」においてSi/Niを使用し、Pタイプは「③行動と結果」においてSi/Niを使用します。

具体的な使用方法を見ていきましょう。

Si/Niは、精神のHUDを使用して、編纂された情報の巨大なデータベースを順番に並べ替える。

それによって、物事を機能させる(make things work)普遍的なルールを見つける。

 
Jタイプは、Si/Niによって「世界全体が機能する方法」「普遍的に真実である原則」「世界の傾向を予測する方法」のパターンを見つけ、自身の「③行動と結果」が世界と正しく相互作用するようにする。

 
Pタイプは、Si/Niによって「③行動と結果」の予測状況を想像し、ある種の行動を(より良く)機能させるパターンと類似点を見つける。これによって、将来さまざまな世界の状況が発生したときに望ましい結果を取得できるようにする。

Si/Niは、自身の精神の内を見て、経験や概念の中に普遍的なパターンを見つける。

 
判断タイプ(xxxJ)は、自身の精神の中で、「②原則と傾向」の普遍的なパターンを見つけ、世界が一貫して機能する方法を理解する。

知覚タイプ(xxxP)は、自身の精神の中で、「③行動と結果」の普遍的なパターンを見つけ、「この種の行動は常にこの種の結果につながる」ということを発見する。

xSxJ:「②原則と傾向」× Si

・過去の経験の中にパターンを見つける

・過去にどの「原則と傾向」が機能したかを把握する

・一貫して機能するものの背後にあるスレッド(一筋の連続した流れ)を見つける

xNxJ:「②原則と傾向」× Ni

・情報の全体的な精神的概念の中にパターンを見つける

・情報が常にどのように「原則と傾向」として一体を成し(fit together)、新しい方法で用いることができるかを把握する

・常に機能するものの背後にある中核的なつながりを見つける。

xSxJ(SJ)は、経験に基づいて世界の普遍的な原則と傾向を導きます。よって過去を参照します。

xNxJ(NJ)は、概念(精神的イメージ)に基づいて世界の普遍的な原則と傾向を導きます。それは情報の新たな使用方法を発見することを意味します。

xNxP:「③行動と結果」× Si

・過去の経験の中にパターンを見つける

・過去にどの「行動と結果」が機能したかを把握する

・一貫してより良く機能するものの背後にあるスレッド(一筋の連続した流れ)を見つける

xSxP:「③行動と結果」× Ni

・情報の全体的な精神的概念の中にパターンを見つける

・情報が常にどのように「行動結果」として一体を成し(fit together)、新しい方法で用いることができるかを把握する

・常に機能するものの背後にある中核的なつながりを見つける

xNxP(NP)は、経験に基づいて行動と結果のパターンを導きます。よって過去を参照します。

xSxP(SP)は、概念(精神的イメージ)に基づいて行動と結果のパターンを導きます。それは情報の新たな使用方法を発見することを意味します。

Fe/Te

Jタイプは「②行動と結果」においてFe/Teを使用し、Pタイプは「③原則と傾向」においてFe/Teを使用します。

具体的な使用方法を見ていきましょう。

Fe/Teは、世界に目を向けて外部の現在のニーズを見つけ、外部の特定の状況を機能(Fe/Te)の目的に適合させるために、何が必要かを把握する。

 
Fi/Tiは、精神の内部に欠けている情報(必要な情報)を探すが、Fe/Teはソナーであり、外部の前方を「ピン」して、外部における自身の目的を達成するために何が欠けているかを把握する。

Fe/Teは、何が最善であるかについての判断を熟考し、適用する。(判断を下し、評価する)

 
JタイプはFe/Teを使用して、外部を見て、目標を決定し、どの「③行動と選択」が自身の望む結果につながるかを決定する。

また、結果をより正確に理解するために、以前の「行動の効果」を解釈する。

Jタイプは「行動と結果」×Fe/Teを使用して、地図の進路をプロットし、すでに進んだ道が自身をどこへ導くかを確認する。

 
PタイプはFe/Teを使用して、外部を見て、世界の「②傾向」を注視し、自身が望む世界となるために、世界にとって何が必要かを確認する。

Pタイプの精神は、「②原則と傾向」と「③行動と結果」を連携させ、世界が必要とするツールを把握し、それをツールボックスの中から見つける。

Fe/Teの使用方法は、判断タイプと知覚タイプとで異なる。

判断タイプは、「③行動とその結果」を理解して適用するために、外部に目を向ける。

彼女らは、将来の行動を適用するために、他者の行動とその結果を注視する。

 
判断タイプは、「計画」と「特定の選択が特定の結果につながる」ことへの理解を重視し、選択と結果は密接に関係していると考える。

 
知覚タイプは、自身の外側に目を向け、「②原則」を把握し、宇宙(≒原則)が目の前の世界にどのように適用されるのかを知覚する。

xxFJ:「③行動と結果」× Fe

・外部を見る

・どの「行動」が最も「本質的に重要」な結果をもたらすかを把握する

・どの「選択」が最も「意義」のある結果につながるかを判断する

xxTJ:「③行動と結果」× Te

・外部を見る

・どの「行動」と「選択」が最も「効果的」に「有益」な結果を生み出すかを把握する

xxFJ(Feタイプ)は、外部の特定の状況を見て、どの行動が特定の状況に意義をもたらすかを判断します。

xxTJ(Teタイプ)は、外部の特定の状況を見て、どの行動が特定の状況に有益な結果をもたらすかを判断します。

xxTP:「②原則と傾向」× Fe

・外部を見る

・「意義」のある傾向を引き起こすものを発見し、自身にとって最も意義のあるものに関する「原則」を決定する

・世界をより「意義」のあるものにするために必要なものを把握する(Si/Niで導いた「行動と結果」と連携させ、行動と結果のパターンの中から、必要なものを選択する)

xxFP:「②原則と傾向」× Te

・外部を見る

・「有用」な傾向を引き起こすものを発見し、最も「効果的」な傾向のある「原則」を決定する

・世界をより「有益」にするために必要なものを把握する(Si/Niで導いた「行動と結果」と連携させ、行動と結果のパターンの中から、必要なものを選択する)

原典には具体例が示されておらず、分かりづらいところです。

Pタイプは、外部の特定の状況に関する客観的な情報を取得して、そこから「世界の原則と傾向」を理解し、特定の状況に意義/有用性をもたらすには何が必要かを判断する、という意味です。

よって、Pタイプの把握する「原則と傾向」は、Jタイプのものほど普遍的(包括的)ではなく、特定的(個別的)なものです。

通常普遍的なものである「原則と傾向」を、特定の状況から導き、「原則と傾向」によって特定の状況において必要なものを探す、という説明はとても分かりずらいと思います。

特定の状況下において複数の物事に当てはまる「原則と傾向」とでも定義すれば良いのでしょうか。

 
例を考えたので記載します。

グループ内の人々の間で不和があったとき(Jタイプ)

Jタイプは以下のことを選好します

・内省(外部環境とは離れた場所)によって導いた「②原則と傾向」に則ること

・外部環境(不和)から取集した情報に基づいて行動を講じること

 
ここでいう「②原則と傾向」は、今回の不和とは無関係に導かれたもので、例えば人間一般は○○である、社会一般は○○である、のようなものです。

このような普遍的な原則を前提にしつつ、不和に対して直接、具体的な行動を講じます。

Jタイプは、ある状況に対して直接的に行動を講じるため、講じる際の指針として、どのような場合にも適用できる普遍的な原則を理解しておきます。

グループ内の人々の間で不和があったとき(Pタイプ)

Pタイプは以下のことを選好します

・外部環境(不和)から収集した情報に基づいて、その状況における全体的な原則(法則)や傾向を把握する

・把握した原則や傾向から、必要な措置を判断する

・内省(外部環境とは離れた場所)によって導いた「③行動と結果」のパターンの中から、今回必要な「行動」を選ぶ

 
ここでいう「②原則と傾向」は、今回の不和やグループに関係するもので、例えば、このグループ内の人間関係の法則は○○である、グループ全体には○○な傾向がある、のようなものです。

Pタイプは、ツールボックスに「行動と結果」のパターンや、様々な選択肢を備えておきます。外部に何らかの行動が必要な事態が生じたら、その外部の全体的な原則や傾向を把握し、これらに基づいてツールボックスから必要な行動や選択肢を選びます。

Pタイプにおける「判断」

Jタイプにおける「判断」は分かりやすいですが、Pタイプにおける「判断」は分かりずらいと思います。

さらに、Pタイプの「判断」について、別の記述も見てみましょう。

第3のステップはPタイプがツールボックスの操作、つまり「③行動と結果」の編纂(パターン化)と、「②原則と傾向」の適用(状況の評価)を開始する場所である。

Pタイプは、Fe/Teによって、普遍的な情報(原則と傾向)を観察する(observe)。

また、Si/Niによって、特定的な情報(行動と結果)を観察する(observe)。

Jタイプは、「②原則」は一般的に適用可能であり、「③行動」は特定的であると理解している。

 
Pタイプは、判断タイプが「②原則」を見るのと同様の方法で「③行動」と「③意思決定」を見ている。

つまり彼女らは、「③行動」を「感覚/直観を介して内面で発見されるもの」「一般的に適用可能な情報のパターン」としてみる。

 
同様にPタイプは、判断タイプが「③行動」を見るのと同様の方法で「②原則」を見ている。

つまり、Pタイプは「②原則」を、「世界における直接的な結果を伴もの」「感情/思考を介して特定的に適用可能な情報」とみる。

ExFP:「原則と傾向」×Te

「世界の有用性(利点)」と「世界で何が起こっているのか」を把握するために、外部を注視する

自分にとって最も有用なものに関する個人的な「原則」(≒信条)を理解し、有用な「傾向」を注視する

思考機能を外側に向けることによって、世界が機能する方法の特定的な「原則」を導き出す

ExTP:「原則と傾向」×Fe

「世界の意義(重要性)」と「世界で何が起こっているのか」を把握するために、外部を注視する

自分にとって最も意義があるものに関する個人的な「原則」(≒信条)を理解し、意義を持つ傾向を注視する

感情機能を外側に向けることによって、世界が機能する方法の特定的な「原則」を導き出す

Pタイプは「②原則と傾向」において、外部を見て、「世界の意義/有用性」と「世界の物事」を把握します。

ここでは「個人的な原則」という言葉が使われています。Jタイプの「④原則」の記述には「個人的な」という言葉は出てきません。ここからも、Pタイプの考える「世界の原則」は、世界全体に関わるものではなくて、個別的で各状況に直接関連するもの、であることが分かります。

ISxP:「行動と結果」×Ni

人々の選択と結果の「因果関係」について熟考する

中核的概念に基づいて、「決定とその結果」がどのように機能するかを理解して編纂(パターン化)し、どのような新しい「行動」が可能であるかを発見する
頭の中で一般的な「行動」の使用方法を理解し、「意思決定」を行い、概念の形で「結果」を理解する

INxP:「行動と結果」×Si

第2ステップでの「観察」が、人々の選択の因果関係について何を示すことができるかを熟考する

経験に基づいて、「決定とその結果」がどのように機能するかを理解して編纂(パターン化)し、過去にどのような「行動」が最も効果的であったかを検討する

頭の中で一般的な「行動」の使用方法を理解し、「意思決定」を行い、経験の形で「結果」を理解する

まとめ

P(知覚)タイプ
J(判断)タイプ
世界は解くべきパズルの連続と捉える
世界は達成すべき課題の連続と捉える
物事の探求を好む
物事の計画を好む
状況に対して反応することを好む
状況に対して行動することを好む
「行動と結果」をパターンとして把握する
「行動と結果」は状況に直接関係すると考える
「行動と結果」をツールボックスと捉える
「行動と結果」を地図と捉える
原則と傾向は状況に直接関係すると考える
原則と傾向をパターンとして把握する