根源的恐怖&不健全さ:INTJ

各タイプの不健全さは、各タイプの長所と短所に付随する根源的な恐怖、及び各タイプが根源的な恐怖に対処する様々な方法に関係します。

根源的な恐怖は認知プロセスの後半(主に第四認知)から生じます。

第四認知は私たちの心にとって最も優先順位が低いため、最も弱く、脆弱だと感じられます。

 
私たちは、脆弱だと感じる領域が、最も愛する追求(第一、第二認知)の成功を妨げるのではないかと恐れます。

INTJの恐れ

IJ

1 2 3 4
判断 知覚
原則() 行動() 詳細() 観察()
Si/Ni Fe/Te Fi/Ti Se/Ne

IJは「④観察と動機」が第四認知であり、弱点です。

「④観察」の対象は自分自身から始まります。

これはIJが、自身のパーソナリティを誤って判断することに繋がります。

そのため、IJの恐怖は、自分という存在が他者から理解されていない、または他者から望まれていないと感じることに集中します。

 
また、Sを第四認知に持つINTJとENTPは、自身が十分に慣習的ではないことを恐れます。

言い換えるなら自身がST的でないこと…現実的な有用性を欠くことを恐れます。

現実的な有用性(ST)を欠く…

例えば、「直接的・経験的な方法において自身が役に立たない」「現在生じている問題に対して自身が役に立たない」のような意味です。

したがって、INTJは「自身の動機(パーソナリティ)」と「自身を人として定義するもの」があまりにも強烈(intense)で、あまりにも乱れたもの(turbulent)であることを恐れます。

 
INTJの専門性(特質)は、原則を用いて、自身が望む有用な結果を正確に得る方法を理解することです。(特に、大規模なスケールで)

 
INTJは、自身が望むように世界を動かす方法を理解することに優れます。

彼女らは、有用な概念(NT)を通じて、自身の意思決定がどのように大規模な軌道・傾向を生じさせるかを予測できます。

世界(World)を動かす方法

原文では、IJの領域はWorldと記述されています。

Worldが具体的に何かまでは明記されていません。間接的には、INxJが広い世界を意識しているのに対し、ISFJは自身の影響圏たる世界を意識している、等の記述はあります。

でも、全てのINxJが世界全体を意識しているわけではないでしょう…

多分IJの領域であるworldとは、世界全体にかかる法則に従って機能する各事象とも言える、と思います。

 
世の中の多くの出来事には原因と結果があり、IJは多くの出来事の背後にある共通の法則(どんな場合にも用いることができる普遍的原則)を理解することに優れます。

この理解を用いて、周囲に起こる各事象の結果を把握することがIJの特質なのかもしれません。

有用な概念(NT)

NTタイプの目標は、より良い効果を生じさせるであろう概念を用いて、未来を予測(推論)することです。

IJとNTの組み合わせであるINTJは、世界(社会)における法則を念頭に、ある行動を実行すれば何が起こるかを予測し、周囲に起こる事象をよりよい結果へ導こうとします。

しかし、それはINTJが自身のコントロール能力をとても高く評価していることを意味します。

すべてのIJは、他の誰も行わないから自身が行わなければならない、と感じる傾向が強いですが、INTJは特にこのように感じます。

 
自身には物事の展開の軌道を変える能力があると感じている場合、物事の展開に常に責任を感じ、物事が計画通りに進まない場合は100%自分のせいだと感じるのは自然な流れです。

これがINTJの不健全時に現れる「INTJの不安」です。

INTJの不安

「INTJの不安」は、何かを改善したいという欲求から、物事を過度にコントロール(支配)しようとする傾向のことです。

 
INTJは、世界をより良くしたいというビジョンを実現するために、どのようなステップを踏むべきかを明確に見通す能力があります。

よって、しばしば世界全体が自身の手中にあると感じ、自身が世界を正さなければ、世界が壊れてしまうのは自分のせいだと考えます。

IJタイプ

IJは覆い隠す者(cloaker)であり、自身の思考や感情を他人に知られずに行動を起こすのが得意です。

覆い隠す者

I:他者からのフィードバックを必要としない隔絶性

J:計画-行動-成果、を指向

IxFJは自身の思考を世界から隠します。

 
対してIxTJは自身の感情を世界から隠して、状況に関係する個人個人の感情に関係なく選択を行い、行動を完了することができます。

別の言い方をすればIxTJは、自身の行動が他人の感情にどう影響するかを気にしない性質、または気にしている様子を隠すことができる性質を持ちます。

それは強みになることもありますが、自分の頭の中に入り込みすぎるIxTJは、そもそも何のために戦っていたのかを見失い、完璧主義が感情に取って代わることがあります。

 
この性質はまた、IxTJを、目的を達成するためなら何でも行い、犠牲者の哀れな叫びに反応しない悪役にすることもあります。

これが、IxTJがよくヴィランとして起用される理由です。

自身の行動が他人の感情にどう影響するかを気にする様子を隠す…

例えば、他人が何らかの行動を実行しようとしていて、その行動が良からぬ結果を引き起こすと予測できる場合…

INTJは、相手に対して率直に「その行動を止めるよう」助言します。

その助言を受けた相手は感情的に傷つくかもしれませんが、INTJは良からぬ結果を防ぐことの方を優先します。

Tタイプ vs Fタイプ

Tタイプは、対象の有用性・部分部分にフォーカスします。よって、人がどのような有用性を持つかを重視します。

Fタイプは、対象の意義・全体像にフォーカスします。よって、人の全体像…存在そのものを重視します。

原典に明記はありませんが、人の存在そのものへの重視が、人の感情への重視に繋がるのかと思われます。